1970年代初頭の腕時計「オリエント・クロノエース キングダイバー」。23石 ラグ含まずの直径が約43mm・厚ミが12mmです。 |
風防にキズがあるので、ケースより取り出すとキレイですね。ありゃ?時針の夜行がスケルトンになってますが・・・。それにしても夜行はヤラレてますねぇ。しかたない事ですが。 |
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機械も見てみるに以外とキレイですね。サビもなさそう。 |
分解掃除も終わり、ここから組立作業に入ります。まずは2番車を所定の位置に組込み、2番受にて組み立てます。2番受けの上にあるカナは回転錘(ローター)からの伝えカナです。 |
輪列とガンギ車も所定の位置に組込みました。配置はこんな感じ。自動巻機構の説明をさせて頂くと、ゼンマイの上に角穴車がありますよね。その車と同じ大きさの角穴車がゼンマイの下にもあります。下の方が自動巻機構で上の方が手動のゼンマイ巻上げ機構となります。写真(2番受組込)を見て頂くと分かると思いますが、下の角穴車の横、地板に組み込んである車がありますが、その車の芯棒が材質的に弱いようなんです。やはりこの時計などは分解掃除は3年に1度はした方がいいようですね。 |
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この時計も4番車はカナだけです。4番車がカナだけの時計に多いのですが、3番車にはこんな細工が施されています。歯車部分が2枚になっているのは歯車が余った訳ではありませんよ(笑)。4番がカナだけの場合、秒針を取り付けると遊びが大きくなり不安定な動きになる。それを防ぐのに3番歯車を2枚にしているのです。余分な歯車部分はフリーになっていて、4番カナに取り付けられた秒針の不要な動きを抑えるという仕組み。この時計もそれなりの工夫があるのですね。 |
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アンクルも組込み、アンクル受にてとめました。特に変わった部品ではありませんので説明はありませんが、ツメ石などに触れないよう細心の注意が必要です。ハズレでもしたら取付設定に時間がかかりますから〜・・・。 |
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落とされたのでしょうか? 天真が折れていました。良く分からないかも知れませんが、左の写真が折れていて、右の写真が交換後。まずは毛ゼンマイを外してから振り石(ダボ石)が取り付けてある部品を外します。あとはタガネを用いて天真を外すのですが、ここの説明は長くなりますから除外しますね。片振り調整などの作業をへて天真交換が出来あがりました。 |
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自動巻機構も3番受けと同じ高さになりますから、当然薄い仕上がりとなりますね。 |
地板(干支裏)での作業です。筒かな、日ノ裏車、小鉄車の組込みが完了。 |
これがカレンダーに関する部品です。この時代は使用部品すべてが金属でイイですねぇ。アクリル部品は扱いに苦労しますので・・・。 |
バネが2箇所あるので、飛ばさないよう作業しました。このあと曜車を上に乗せ 、干支の取付となります。作業も終了まじか。 |
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左の写真は針取付前で、右の写真は取付終了です。後者の写真を見て頂くと分かるかと思いますが、時針の夜行部分をケース中で発見しました(嬉)。 |
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干支側から見ると左の写真のようになります。ここに内部に納まっている回転リングを取り付けます。 |
腕に装着すると・・・やはりデカイですね。ちなみにこの手首はkuroで、初公開かな(笑)。 |
「キングダイバー」と名前はついていますが、現在で言うところの日常防水(3気圧ぐらい)でしょう。この時代は意味のない名前が多かったですね。時計を買い求めた人は、あまり名前のことは気にならなかったのでしょうか? |