SEIKO QUARTZ Cal.3803A

当時流行っていたボカシ文字板ですね。私個人としてはシンプルな文字板が好みなんですが(笑)

  

ケースナンバーより、1972年7月製、38QTW(3803A)ですね。

     

 ムーブの構成は、水晶振動子を含む「回路ブロック」、「駆動コイル」、「電池」、これら三つの部品に囲まれた輪列、ステップモーターを主体とする「機械部」から成り立っています。これらの部分は画像を見てもお分かりのようにブロック化されています。

   

 この画像は回路ブロックを裏から見たところです。基板とパターンが現在のようなプリントではないですね。この頃は丁寧に手作業していたのでしょうか。

  

 緩急はトリマコンデンサではなく、緩急用コンデンサの取替えで時間調整をしてたタイプなんですね。このコンデンサには“X”マークが入っています。0〜9その上はX・Y・Zと13種類あったんですよ。番号の小さいコンデンサを組み込むと進み、逆の場合で遅れとなる。1間隔で日差0.4秒でした。

   

 緩急用コンデンサが組み込まれている位置です。上の画像を見て何処につけてあるか探してみてくださいな。

   

 コイル組込画像です。いたって簡単な取り付けですが、リード板は押さえないことが注意点ですね。止めネジを締める時も両サイドのロー付け(※)にはコイル先端部分が出てきています。締め方も注意が必要。

  

 ※技術者の用語でロー付けとはハンダのこと。銀を使うと銀ロー、金ですと金ローと。さて、図をご覧ください。コイルのリード板のコイルに近いところが少し盛り上がっているのがロー付部分です。その真ん中にある部分がネジが入るところなんです。コイルは非常に細かいもので、大きさは直径100分の1mm〜100分の2mmぐらいの大きさ。その両先端をロー付けして、リード板に取り付け。コイルより遠い部分の先端が回路に接続しているのです。

  

 回路組込です。この中には回路ユニットと水晶ユニット・緩急コンデンサ・アースリード端子などが組み込まれています。

  

  

kuroさんの一言

 水晶腕時計は諏訪製アストロン(35SQ)が、1969年12月に発売が開始され、当時の価格が45万円(K18)と非常に高価でした。その3年後に発売されたのが、38シリーズ。SEIKOの誇る高度の精密加工技術とエレクトロニクスの技術を駆使して開発された水晶発振式腕時計でした。超高精度品のスーペリアから普及型まで多くの幅をもたせ、機能・デザインともバラエティーに富み、多くの商品郡を取り揃えた信頼性の高いキャリバーだったんですよ。

  

  

  

   

  

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