Enicar Sherpa Super DIVETTE

  

  

  

  

  

  

  

    

  

 エニカのシェルパSuper DIVETTEです。ネットオークションを通じてイタリア人の方から譲って頂きました。Enicar S.A.は時計製造会社のAriste Racine(A.R.)と共に1914年に創業。当初はスイスのジュラ渓谷にあるLa Chaux-de-Fonds/ラ・ショード・ド・フォンに本社を構えますが、その後はlengnau /レングナウへ移動し現在に至っています。製造部門のS.A.はエニカ以外にも機械を提供。一方で当時のエニカも一部モデルにETAの機械を搭載するケースも見られ、エニカとA.R.は完全に一体というわけではなかったようです。

 1960年代に入ってエニカはスポーツウォッチに特化、シェルパシリーズが誕生します。同シリーズにはダイバーズ、クロノグラフ、ワールドタイマーなどがあり、いずれも防水性の高い頑強なケースでリリースされました。エニカの腕時計は1956年代にヒマラヤ遠征隊が装着したという実績もあり、早い頃からスポーツウォッチを得意としていたようです。またスイスメーカ−ではいち早くクオーツ機械を採用。現在のエニカはクオーツを中心に比較的廉価な時計を製造しているようです。一方でヴィンテージのエニカやA.R.のオールドムーブメントは人気が高く、クロノスイスのデルフィスなどはここで紹介しているA.R.のCal.1145をベースとした機械を搭載しています。

 この時計は1960年前後のダイバーズです。大きな2つの竜頭が特徴的。下の竜頭では手巻きも可能です。この竜頭を1段引上げて時間とカレンダーを設定。カレンダーは午後10時から12時の間を往復させてチェンジします。上の竜頭は内転リングの回転用。裏蓋は変わった開閉方式になっており、裏蓋外側に刻印された0マークを2つの竜頭中央位置にスライドさせて蓋を持ち上げます。閉めるときには蓋を同じ位置にかぶせIマークを2つの竜頭中央位置にスライド。詳しくは下の写真をご覧下さい。 2002.3 update

 追記 2005.7 Ariste Racineは創業者の名前。「Enicar」はRacineを逆さまから読ませて付けたブランド名です。十号さんに教えて頂きました。

    

  

  

   

  

  

  

  

  

  

  

   

ペンタゴン(五角形)にARがAriste Racineのトレードマーク

Cal.ナンバーの1145と24石の刻印が見えます

  

  

  

  

 裏蓋を開ける時は蓋に刻印された0マークを2つの竜頭中央位置(ケースサイド三角マーク)にスライドさせて蓋を持ち上げます。閉めるときには蓋を同じ位置にかぶせIマークを2つの竜頭中央位置(ケースサイド三角マーク)にスライド。