Glashutte GUB Cal.771

  

  

  

  

  

  

   

  

 Glasfutte(グラスヒュッテ)の時計。1960年代後半の製造。最近、高級時計で知名度を上げてきたドイツのグラスヒュッテオリジナルは同社を起源としています。ただし、実体は東西ドイツ統一後、1994年にGlasfutteの経営権(ブランド名)を別資本が買収し再出発したもの。ここで紹介する時計は“東ドイツ下にあった”Glasfutteの製品です。

 なお、グラスヒュッテオリジナルは再出発後もドイツ名での社名は変更していないそうです。同社公式サイトにある歴史紹介では、冷戦下の共産国家中にあったGlasfutteについても同社の歴史として紹介。またドイツのグラスヒュッテにある工場は東ドイツ時代のものを使用しているとのこと。“歴史あるブランド”として再出発したかった同社の解釈(説明)でしょう。一方、ブランド名は「Glasfutte」から「Glasfutte−Original」に変更し、新たに製造する高級製品と共産国家下にあった会社が製造してきた(ここで紹介するような)過去の製品とを区別しています。

 裏蓋にあるGUBは(東ドイツ下の)Glasshutter Uhrenbetrieb GmbH の略。直訳すると「グラスヒュッテ時計工場有限会社」。ただし当時は国営企業であったことから、これを「グラスヒュッテ時計国営工場」と訳することもできます。現在のグラスヒュッテオリジナルも社名はGUBですから日本語訳が難しいですね。

 GUBはその歴史の中で、チュチマやランゲ&ゾーネ、ロシアのポレオットなどと関係しています。ドイツの時計産業は東西冷戦に大きく翻弄され、企業の接収、合併、商標の放出などを繰り返しました。詳しくはチュチマレポートにあるTUTIMAの系譜(年表)で紹介しています。

 裏蓋と文字盤下部にはMADE IN GDRとあります。GDRは(旧)東ドイツ=ドイツ民主共和国の英語表記German-Democratic-Republicの略。ちなみに(旧)西ドイツ=ドイツ連邦共和国の英語表記はFedearl-Republic-of-Geramany(FRG)です。 2001.3 update

    

  

  

  

   

GUB Cal.771 18000振動 5振動/秒 26石