Mathey Tissot Valjoux232

  

  

 Mathey Tissotは1886年、スイスLes Ponts-de-Martelに創業した時計メーカーです。 Mathey Tissotとは創業者の名前。OMEGAと関係の深いTissot(スイスのル・ロックルで創業 1853〜)とは別メーカ−です。日本ではあまり知られていませんが、バーゼルショーにも時計を出品している現役の時計メーカ−。日本には正規代理店はありません。この時計はネットオークションを通じてカナダの方に譲って頂きました。

 白文字盤のクロノグラフは、黒文字盤のそれとは違った魅力があります。ビビッドな赤色のクロノグラフ針も目を引きます。日付は短針を午後11時から午前1時の間を往復させクイックチェンジさせる方式。

 搭載されているValjoux23-2はValjoux23に日付表示を加えた機械のようです。初めて入手したピラーホイール式クロノグラフですので、機械をじっくり観察してみました。 2001.3 update

  

  

  

  

 ピラーホイール式クロノグラフとカム式クロノグラフの操作感の違いに「スタートボタンの感触」があげられます。カム式はスタートボタンを押すと、カムを通じてトランスミッションホイールをスライドさせ、クロノグラフをスタートさせます。従って「カッ」という押し込む感触がするだけです。

 一方、ピラーホイール式は、スタートボタンを押し込んだ際、ボタンと連動するオペレーティングレバーの先についたツメがピラーホイールを時計回りに回転させる動作を行います(ここでカップリングクラッチの先端がピラーホイールの谷の部分に落ちます)。さらにスタートボタンを離す際(ボタンが戻る際)、オペレーティングレバーの先についたツメが次の動作に備えて、ピラーホイールの次のピラーの上に乗る動作を行います。1回のボタン操作で、この2つの動作が発生することから「カッチ」と、「チ」の音を感じることができます。