カスタム同好会・会員No3のkazuと申します。(笑) 私がカスタムのベースとしたのは、子供の誕生記念に購入した20周年記念モデルです。購入後は、「Moon Watch」への強い憧れと購入動機の思い入れから、どこへ行くにもこの時計という感じでした。しかし、後にビンテージ・スピードマスターを所有するようになると、このモデル特有のダイヤルのノッペリ感などに物足りなさを感じ始めてしまいます。そして思い入れとは裏腹に手にする機会も次第に減っていきました。 その後とあるオークションからシルバーダイヤルを手に入れます。そもそも興味本位でのオークション参加でしたが、到着した現物は、上品な雰囲気の中にも個性を十二分に発散していました。その感覚は、ブラックダイヤルを見慣れている私にはとても新鮮なもので、いつしか「あの時計に組み込んで蜜月の日々を取り戻そう」と決心していました。 ベースの時計もある、そして顔となるダイヤルもあるとなればあとはハンド(針)の入手だけ。ネットで海外オークションを中心に探し求める日々の始まりです。狙いを針単体はもとより、ドイツ限定モデル白文字盤のものなど、いずれも安価なジャンク品に定め、完成後の勇姿に想いを馳せながら、自宅や仕事の合間に探し続けました。 きっと見つかるはずと楽観的に始めたこのチャレンジでしたが、いくら時間を費やしてもなかなかお目当てのものと出会うことが出来きません。元々それらは限定品やそれに近いもので、そう易々とは出会えるはずはなかったのです。 今は笑って振り返れますが、時間の経過と共に途中何度も弱気になり、オートマチック用やイミテーションのハンドをダメ元で手に入れようとしたことも。果ては、思い余って知り合いの時計師さんにハンドの塗装をお願いしかけたこともありました。しかし、自分の子供のように感じていた時計なので、純正部品を使った真っ当な(?)カスタムをしてやりたいとの親心が捨てきれず、弱気になりながらもチャレンジを続けました。 そうした徒労の日々が長らく続き、当初の熱い想いもそろそろ諦めの境地に傾きかけたころ、幸運にも同好の方、そして理解ある協力者の方と出会います。その後は予想外に事が展開し、最終的には、WGムーン用のブルースチールハンドで仕上げていただくという夢のようなおまけまでも付く形で、とうとう完成までたどり着くことができました。(クロノハンドは、ムーンフェース窓の遮蔽物とならないように夜光は入っていないようです) 今は想いが叶った喜びと達成感を日々感じながら、以前のように一緒の時を過ごしています。画像はその勇姿です。ブレスはそのまま純正品の使用も考えましたが、こちらで初めて拝見した「茶きさん/黒の皮ベルト仕様」の黒とシルバーのコントラストがとても印象深く残っていたため、ミスマッチを覚悟でNATOベルトを選んでみました。更に仕上げとして、全体の雰囲気を引き締めるために(?)ベゼルをオークションから入手していたデシマルスケールとしています。ノーマルと比較すると各インデックスの数字も左右対称に大きくはっきりと書かれており、大変テイストの異なるイメージで、よりシルバーダイヤルを引き立たせる結果となりました。 最後にこの場をお借りして、なかひろさんをはじめ、私のわがままな想いのためにお付き合いいただいた方々にお礼を述べさせていただきたいと思います。本当にありがとうございました。 |