SEIKO ELNIX

電池時計、最終機種のエルニクスです。金メッキムーブがきれいですね。

電子回路と機械時計の複合とは面白い時計だと思いませんか。

Cal.0723A  1973年製機械 落径25.6mm/機械厚5.4mm

テンプ駆動方式 テンプ振動数28,800振動(8振動/秒)

こちらでも紹介しています。

   

これが全部の部品です。見る限り機械時計っぽいですよね。部品数58個。機械時計と比べると少ないですかね。

    

これはアンクルです。ツメ石が長いしハコがデカイですね。なぜツメ石が長いか解説しましょう。

一般の機械式時計とは逆に、エネルギーをテンプからアンクルに伝達し、アンクルのツメ石がガンギ車を回転させ、

輪列に伝える「逆脱進機」を採用しているからです。

   

 「回路ブロック(上)」と「コイルブロック(下)」です。前者は裏側から見た画像で後者は表です。「回路ブロック」のメッキ部3箇所に「コイルブロック」の金メッキした3箇所が接触するのですが、回路の上のメッキ部とコイルの左端が接触してテンプを作動させ3箇所接触して電池からの微電流でテンプを回転させるのです。ここでも解説させて頂きますと、一つは電池からスイッチを通りコイルに微電流が流れ回路のトランジスタを通り電池へと繰り返し流れます。もう一つは電池からスイッチを通りコイルに行き、回路のコンデンサーから抵抗、そしてトランジスタから電池にと持続的に電流を流すのです。ちょっと難しいかな?(^o^;;

 機械部の車の配列です。ガンギ車にはツメ車が一体となっています。このツメ車の働きは日曜送り、針回し、外部からのショックなどで、ガンギ車に逆転方向の回転力(トルク)が加わった際、ツメ車とツメ止めバネによりガンギ車の逆転を防いでいます。なお、ツメ止めバネは地板にあるガンギ車の上方クロームメッキした部品。

輪列を組込み3番受けでネジ止めした画像です。

   

アンクルも組込み、アンクル受でネジ止めしました。

  

テンプも受けにて組込しました。

   

コイル組込画像です。

   

全ての部品組込完了です。

  

 これはテンプの画像です。右の方に円形の部分が永久磁石です。回路からコイルへ電流が流れると反発しテンプの往復運動が持続するのです。作動の概要は・・・リュウズを押すと発停レバーがテンプを動かし、同時に電源スイッチが入り、電池と電子回路がつながってテンプが動きだします。テンプが動き出すと検出コイルに誘起電圧が発生し、これがトランジスターをONの状態にさせ、駆動コイルに電流が流れテンプが駆動されます。この動作が持続しテンプの周期的な往復運動が持続するわけです。このテンプの振動は、アンクル・ガンギ車から輪列を動かし秒針・分針・時針及び日車・曜車をも動かします。

   
   
kuroさんの一言

 電池時計は機械式とクオーツ式との狭間で短命でしたが、面白い原理の時計だと思います。簡単に言えばゼンマイを巻くわずらわしさから開放されただけかもしれませんが、当時は珍しさもあって良く売れました。

  

  

  

   

  

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