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K14YG オメガ・コンステレーション自動巻/1960年製/Cal.551('59年開発) 5.5振動(秒)/24石/公認クロノメーター。 |
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真横からの写真です。何処かシックリしませんね。時計本体の厚みから見ても風防の高さが異常に厚く感じられます。丸みも無く妙に不自然な感じ。裏蓋番号から察しますと旧番号かな?、、、となると風防の在庫がなかったのかもしれません。風防の中央には縦長Ω隠しマークも入っています。大きさの合う風防を代用したのでしょうか? 通常非防水の風防合わせは簡単なのですが、このコンステの風防ですとちょっと厄介。風防の内側にテンションリングという部品が入っているのですが、そうなると風防の内径と外径と干支の大きさ全ての条件が一致してはじめて代用品となるのです。それにしても風防上面の外周が、もっと丸くなっているものがなかったのでしょうか、、、。どなたか、これに合う風防あればお知らせくださいませ m(_ _)m |
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まずは裏蓋スクリューを開けてみました。スクリューにも少しネジ山の引っかかるところがありますがマズマズといったところでしょうか。赤金メッキされた機械はいつ見ても素晴らしいですね。まず手順としては各部の点検。機械に竜芯を戻してみたところやはりガタがあるようです。手での感触から0.2mmくらいのガタ付きだと思われます。このくらいならマダマダ大丈夫でしょう〜 |
機械とケースを止めている機止めネジを2箇所、ネジ回しで外してケースから機械(干支、ハンド付き)を取り出します。竜芯も止めているオシドリピンを押して引き抜きました。 |
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干支はやはり書き換え(リフレッシュ)されていました。それも高度な仕上がりです。活字は全て盛り上がりがあり、とてもリフレッシュされたとは思えない仕上がり。私も結論を出すまでにいささか時間がかかりました。更ににワザと?古い感じが出るように細工までされています。普通、スポットは水気もしくは汚れなどで干支の地にハゲ現象(下地が浮き上がる)が起こる状態なのですが、このコンステは金粉を散らしたようにして、意図的に細工を施しているように思われます。金無垢の干支だと思わせるためにこんな細工したのでしょうか? それにしても腕の良い“職人”さんですねぇ。 さて、リューズを引き出してハンドを正回転させてみました。ハンドの取り付けが悪いのか? それとも表示部の歯車のガタか? 今のところ干支を水平方向から見るとハンドが8時位置でインデックスに近づき、2時位置で離れているようです。内部はこのあと覗くといたしましょう。その前にドルフィンハンドを外し、干支も取り外してみます。 |
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ハンドも無数の傷があるものの年代モノで使用してたとするとこんなモノでしょう〜・・・あまり気になりません(笑) |
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ところで、干支の裏もインデックスを外してリフレッシュするのですが、外す際に裏側の止めた箇所をヤスリで削ったようですね? 随分以前の加工なら削ったところが変色するはずなのですが?? またこのオメガコンステでインデックスにオニキスを使用しているものを以前所有してたのですが、それは干支も金無垢でした。文字盤の裏面に金無垢を証明する刻印があったのですが。この解説のブツには見当たりません・・・残念(^^ゞ |
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しかし削った箇所とケースの色と比較すると同じ色に見えちゃいます。皆さんはどう思われますか? |
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カレンダーなしタイプですから表示部伝達歯車はこれだけです。私個人としては付加機能の付かない手巻き、自動巻きが好きなんです。見てお分かりかと思いますが、面白くない機械=長く使用出来ると勝手に思っています。複雑な時計ほど痛みやすくなるのでは? おっと、話が横道にズレてしまいました(^^ゞ。 |
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これが駆動部の機械です。ここまでの分解は以前解説したコンステを参照して頂くと分かりますから省略させて頂きました。やはりマトマリのある機械ですねぇ〜。とても40年前の機械とは思えませんデス。赤金メッキの仕上げもそうですが、細部にわたっての仕上げも更に綺麗ですね。こういう時計の作りを見ていますと目が釘付けになるのはkuroだけでしょうかぁ? 1日見てても飽きません〜(^o^;; |
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テンプを地板から外してみました。この作業も慎重にしないと。もしも毛ゼンマイを痛めてしまいますと大幅に作業延長となってしまいますものね、、、実は、いや止めましょ(苦笑;;;) |
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3番受けを外して輪列歯車の様子も観察して見ましょう〜。ゼンマイから力の伝達されて行く様子も想像して見て頂くと面白いかも。以前のコンステ(解説文参照)で4番カナの説明をした通り、4番受けがありません。そのかわり4番押えがありましたよね。秒針が外れると、どうするかの説明もしたはず。さてその横にある3番車からガンギ車の間にあるのが5番歯車(名称は違うかも?)、それを経てテンプにゼンマイの力がアンクルから送られ、折り返しアンクルから表示部まで伝達されていますです。仕組みも分かれば「なんだぁ〜」とは思いましょうが、これを考案した人は大したものですね。脱進機は心臓部に近いですが、時計の場合、機械のどこが痛んでも致命的。イタワリながら人生を歩むには定期的な点検及び修理も必要ですよ。 |
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これが角穴車の止めネジを取り外したところですが、他のと違う箇所に気がつきますでしょうか?ヒント・・・ボカシた箇所(^^ゞ |
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角穴車を外して見ますと、あれ、丸穴車か? 下にも歯車があるようです。外周に歯車があり内側にも歯車がありますね。それに先ほど外した歯車には(−)ネジが付いています。これはどういう仕組みになっているんでしょう〜? 本体の機械の下に初めに外した歯車がありますが裏向けて見てみるとカナがありました。このカナが内側の歯車に噛み合っているのです。つまり手でゼンマイを巻き上げると竜芯の上側の丸穴車からクロームメッキしてある歯車に伝達され、そこのネジ下のカナで赤金メッキをしている角穴車に伝達、そして一番真にてゼンマイを巻き上げしているようです。何か利点があるのでしょうか? この構造ってローターの消音と因果関係がありそうな気がしませんか? |
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組立もこれで終了です。やはり何度見ても美しい機械ですね。この先も共に元気に過ごしたいものです。 |
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すべての作業が完了いたしました。あらためて分解掃除をしたところ、オーバーホールした方がいい時期だったようです。あまり摩滅している箇所は無かったのですが、巻真は手作りで別作されていました。しかし巻真の機械本体に入る手前(竜頭よりの箇所)の真棒の大きさが太くてローターに当たっていました。純正の巻真に交換したところ干渉もなく正常な状態に復活。精度の追い込みも日差+10秒に調整しましたが、あと2ヶ月くらい使用して再度精度調整をいたします。OVH後は2ヶ月くらい様子を見ながら注油や色々な部品の駆動を確認。その後は更に調整をしてクロノメーター級の精度に復元してあげたいものです。出来ればの話ですが(^へ^;; |
人間らしさのある機械時計は手入れさえ充分していると人間の寿命を遥かに超え使用可能です。こんなこと考えると複雑ですが内部の部品を損傷しない内にマメな手入れは必要。長く使い続ける秘訣は、おおよそ3年に1度はOVHするといいみたいです。穴石に注油されている油の劣化は2年でほぼ無くなりますから、それ以上長く使うという事は真棒が破損していくということになります。 |