ARNEXがどのようなメ−カーなのかは不明です。搭載されるランデロン製機械から推測して1950年代の製品でしょう。 特徴的なアロー針はオメガ/スピードマスターファーストにも似ています。この時代に流行したデザインかもしれません。風防は丸みを帯びたドーム型で、文字盤までも深さがあり“肉厚”な印象を受けます。 機械にはダメージも見られず、OH前ですが大きな日差もありません。クロノ操作はランデロン特有の「上スタート、下ストップ−リセット」。リスタートは上ボタンを使います。 2001.2 update |
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テン輪の下にはランデロンも加わっていたエボーシュ(連合)社のマークとムーブナンバーの248の数字が見られます。先に所有していたランデロン48の後続(改良)機械ということで、「48」という数字に「2」を加えて「248」としたのではないでしょうか。 |
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大きな違いはテンプに耐震装置が付いたことと、緩急針、リセットハンマーの形状。ランデロン特有のクロノ操作方法も同じ。Landeron48が1940年代の機械、Landeron248が1950年代初期の機械だと想像します。 |
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リセットする際に、リセットハンマーがクロノグラフランナー(中央の車=秒計測針)と積算車(左の車=分計測針)それぞれの根元に付いているハートカムをたたいて、リセット(秒計測の針と分積算針を「0」に)します。この際、クロノグラフランナーと積算車が、それぞれを連動させる中間車(オレンジの丸中の車)と噛み合ったままでは互いに干渉しリセットされません。そのため、リセットする際に、中間車がクロノグラフランナー(中央の車)と積算車(左の車)から離れる構造を持たせています。そうすることで、互いに干渉されずにリセットが完了。中間車を支え、移動させる「腕」(オレンジの丸)のことをスライディングギアと呼びます。もちろんスライディングギアはスタート・ストップボタンとリセットボタンに連動してスライドします。 スライディングギアを採用しないクロノグラフには、中間車は移動することなく噛み合ったままのものがあります。中間車と噛み合っているクロノグラフランナーの根っこのツメ(「送りツメ」)がバネ形状になっており、リセットハンマーがハートカムをたたくとき、2つの車に力を加えると、かかる力をクロノグラフランナー下部のバネ形状の送りツメが折れ曲がることで逃がし、クロノグラフランナーと積算車が互いに干渉することなく、それぞれリセット位地に戻るという構造を持たせています。 |