世界初のダイブコンピューター付腕時計。先に所有していたこの時計の上位機です。水深センサー、水分感知センサーを搭載し、潜水の記録を計測、表示、記録するダイブコンピューターそのもの。1990年に発売。時計内にはあらかじめアメリカ海軍の設定したダイブテーブル（安全確保のための潜水プログラム※）がインプットされています。具体的には潜水の時間と深度を記録して分析。その後の潜水に必要な情報（休憩時間、２回目以降の可能潜水時間）をリアルタイムで表示します。場合によっては水中でアラーム音を出して警告。発売当時、世界のダイバーにかつてない超小型ダイブコンピューターとして大いに歓迎されました。普段使いの腕時計としては自身のログブックを腕に持ち歩くスタイルを可能としています。

　私もライセンスを所有しわずかのダイビング経験がありますが、確かに専用のダイブコンピュターはかさばって邪魔になります。この腕時計はダイビング中の装備を一気に軽量化してくれることは想像に難くありません。ガンダーラ井上氏も「人生に必要な３０の腕時計」 の中でこの時計を使ったダイビング体験を紹介しています。氏は「この時計が動くところを見たかったから」ダイビングのライセンスを取得したのだとか。

　マッドブラックのボディーとそこに刻まれたイエローのモード表記が、プロスペックの“凄み”と“精悍さ”を放っています。また横長の造形は腕時計デザインとして見ればとても斬新。既に発表から10年以上の時を経ていますがそのデザインに古さを感じません。

　※　ダイビングでは体内に窒素が残留することを防ぐために深度に応じた潜水時間、（複数回のダイブでは）休息時間を計算してダイビング計画をたてなければなりません。計算式はダイビング団体によって微妙に違いがありますが、この時計の場合1985年版U.S.NAVYのダイビングマニュアルに準拠した数値を表示します。　2003.2 update