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LEMANIA/レマニアのセンターセコンドです。クロノグラフを得意としたレマニアですが、こんな“普通”のセンターセコンドも作っていました。まずは同社の歴史から調べてみましょう。 レマニアの創設者はAlfred Lugrin。1884年、スイスのLe Sentierに小さな工房を開きます。当初よりクロノグラフを手掛け、独自の設計で積極的に製品を開発。1886年には早くも工房が手狭になり、スイスL'Orientに移転。この場所で本格的に時計製造が開始されます。やはりストップウォッチやクロノグラフなどの計測器を得意とし、製品においてもそれが中心となりました。 1930年になるとLugrinの親族であり、法的な相続人であるMarius Meylanが後継者となります。彼が「LEMANIA」の名前を商標としました。1932年にはOMEGAやTissotなどが設立したSSIHグループに参加。SSIHグループは現在のスウォッチグループの前身です。これを機会にレマニアは急速に会社の規模を拡大しました。 1940年代からは各国の軍用時計を手掛けるようになります。特にイギリス軍との関係は深く、クロノグラフについては同軍の官用品として確固たる地位を築きました。空軍、海軍、陸軍すべてが同社のクロノグラフを採用。特に海軍からの信頼は厚く、防水製をも求められる過酷な状況下で、同社のクロノグラフは計測機能を発揮しました。またスウェーデン軍にも多くの軍用時計を供給します。80年代になるとTUTIMA製品にもLEMANIA のクロノグラフ機械であるCal.5100が搭載され、これがドイツ軍、NATO軍に採用されました。 オメガばかりがスポットライトを浴びる“ムーンウォッチ”「スピードマスター」ですが、同機の機械はレマニアが手掛けています。NASAのジェミニ計画、アポロ計画においてスピードマスターは並みいる競合製品の中から公式時計に正式採用されました。スピードマスターが厳しい耐用試験において優秀な成績を残せたのは、レマニアが過酷な状況下で使用される軍用時計を数多く手掛け、これらの経験により開発されたスピードマスターのクロノグラフ機械が優秀だったからに他なりません。1969年、アポロ11号は月面に着陸しアームストロング船長の腕に巻かれた「スピードマスター」は“ムーンウォッチ”となりました。 1981年にSSIHグループは財政的な危機からレマニアの株式を外部資本に売却してしまいます。その後、Horloger Breguet(ブレゲ)が同株式を取得。1992年のから1999年の9月のあいだ、レマニアはHorloger Breguet(ブレゲ)の資本下で、Nouvelle Lemania(新レマニア)を名乗り存続していました。1992年からはブレゲの時計機械をレマニアが製造。現行のブレゲ・アエロナバル、トランスアトランティックなどはその経緯で“ブレゲの自社キャリバー”搭載機として発売されました。レマニアは高級時計メーカーであるブレゲに相応しい高級機、スプリットセコンドなども続々と開発。レマニアはブレゲ資本下で存分に腕をふるいました。 しかしその後、スイス時計メーカーのグループ再編、合併、買収合戦が始まり、高級ブランド獲得を急いだスウォッチグループ(元のSSIHグループ)が1999年にHorloger Breguetを買収。カルティエを筆頭とする(資本の結びつきは薄い)ヴァンドームグループに属していたブレゲは、スウォッチグループ(歴史)の最高級ブランドとなりました。 現在、レマニアはHorloger Breguetと一体であり、同社の工場はいまだスイスL'OrientBienneにあります。スウォッチグループには「レマニア」以外にも、世界最大のエボーシュである「ETA」やBlancpainと結びつきの強い「フレデリック・ピゲ」など複数の機械製造会社があり、それぞれスウォッチグループを横断して各ブランド向けのムーブメントを手掛けています。 さて、紹介する時計に話を戻しましょう。小振りなケース、文字盤上のアラビア数字とリーフハンドが何とも愛らしいです。6時位置のカレンダーの“小窓”がまたかわいい。1940年代の時計と推測していますが、何とこの時計にはカレンダーのクイックチェンジ・ボタンがついていました。2時位置ケース側面に小さな穴とボタンがあり、ここを何かの突起などで押し込むとカレンダか「ストン、ストン」と小気味良くチェンジしていきます。この時代の3針カレンダーのクイックチェンジはほとんど見ませんので、完全手動式とも疑いましたが、深夜0時に自動で日付変更することを確認しました。 そして何よりの見どころは搭載機械。出車式(出車の説明はこちら)のセンターセコンドなのですが、その造形は懐中時計を思わせる構造です。ブリッジ形状だけ見れば高級機械の様相。一方でレマニアらしい“のっぺり”した表面加工はそのまま。レマニアの3針機械にはオメガの30ミリキャリバーに似た造形のものをよく見かけますが(※下で検証)、これとは全く違う機械が搭載されていました。機械番号も定かでない無銘キャリバーですがなんとも魅力的な機械です。 2004.5 update |







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| 右の2つのレマニア(参考写真)のほうが時代は新しいようです。全く違う設計ですね。 | ||
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