セイコーのローレルです。ローレルシリーズはセイコーが本格的に機械式時計の製造を復活した際に展開されました。1990年代半ばに機械式、クオーツ、キネティック(当時はAGSと呼ぶ)など様々な時計機械を搭載、幅広いラインナップを揃えます。機械式ローレルが看板ラインで「クラシックシリーズ〜オーセンティックライン〜」として力を入れていました。素材にゴールドやシルバーを使ったものや、琺瑯(ホーロー)文字盤を採用したもの、針を青焼きしたものなどがあります。さらにスモールセコンドを持たせたり、パワーリザーブ表示を備えたり、シースルーバックにしたりするなど、現行の機械式時計が少ない中で時計愛好家を大変喜ばせました。非常に魅力的な商品ラインナップでしたが、機械式時計が今ほどのブームには至っていなかったこと、セイコーの機械時計展開が「クレドール・シリーズ」や「メカニカル・グランドセイコー」の高級ラインに軸足を置くようになったことなどから、「ローレル」シリーズは短命に終わっています。 搭載される4S系の機械は亀戸製キングセイコー・スペシャルやロードマチックスペシャルなどに搭載された52系の流れをくんでいますが、ここで復活した4S系機械は様々な面でリファインされています。例えばゼンマイにスプロンという医療や精密機器で使用される高精度素材を用い耐久性を確保したとのこと。 今回、入手したローレルに搭載される4S15Aは、こちらも廃盤になってしまったアルピニストにも搭載されていました。“クラシカル”な顔はとても魅力的。オン、オフ問わず気軽に使えそうです。 2002.11 update |