スピードマスター初のクロノメーター規格(解説)仕様「Speedmaster Chronometer 125」です。1973年にオメガ社創立125周年を記念して世界2000個限定で発売されました。日本では2000年に放映されたTBSドラマ「ビューティフルライフ」や2001年放映のフジテレビドラマ「HERO」で主演の木村拓哉が役中で使用していたことから、“木村拓哉モデル”としてヴィンテージファンを超えて人気の出たモデルです。「同氏の衣装担当の私物だった」などと当時のファッション誌で特集されたりしていました。 マーク3/マーク4に搭載されたスピードマスター初の自動巻ムーブメントCal.1040をクロノメーター規格仕様にしたのがCal.1041。機械には同規格の5姿勢調整と温度差調整を行った旨が刻印されています。オメガ独自開発の自動巻機械と言われますが、手巻きプロフェッショナルに搭載されるレマニア製のOmega Cal.861系/LEMANIA Cal.1873系との共通部品が数多く見られました。Cal.1040系はクロノグラフ製造のノウハウを数多く持つレマニア(解説)がオメガ専門機として製造提供したのではないかと想像しています。 この時計の魅力は何といってもその大きさでしょう。以下にファースト復刻と並べた画像をアップしていますが、決して小さくないファースト復刻が小さく見えるほどです。デザインもブレスと一体になった大胆なものですが、ディテールの造りは非常に繊細。ケースの面が切りかわるポイントで仕上げを変えたり、曲面を用いたりするなど高いデザイン性を有しています。風防もクリスタルと思われる高い質感のものを採用。これにより重厚さがさらに際立たっています。 文字盤上に多数配された時計針もスポーツウォッチの雰囲気を盛り上げます。矢印が先端についた針はクロノグラフ針で、同じくセンターから伸びる飛行機のような形をした針が分積算計。6時位置のダイヤルが時積算計です。9時位置には永久秒針と24時間計(回転盤)を配置。 記念モデルとして同社主力商品のひとつスピードマスターのスポーツ・イメージを存分にPRしたクロノグラフです。 2006.2 update |