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シチズンの電磁テンプ「X8」シリーズ・初期080X系のクロノメーター仕様です。機械番号はCal.0802。はじめに整理しておきますと「X8」シリーズには「初代080系のクロノメーター25石(Cal.0802)/1969年3月〜」と「084系のクロノメーター19石(Cal.0821)1970年9月〜」の2種類のクロノメーター・モデルが存在します。ここで紹介するのは前記のもので、おそらく世界で初めてクロノメーター規格(解説)を取得した電磁テンプ時計(解説)でしょう。 カットガラスに少々大げさなインデックス、オーバルなケースは70年代のテイスト。一方でグレー色の文字盤に整然と記されたクロノメーター表記からは“特別仕様”の高級ウォッチが持つ“重み”も感じます。タグにもあるように定価は36000円。当時の物価水準からすると相当な高額品であったことは間違いありません。それも当然、クォーツ誕生前夜には精度の面において電磁ウォッチの優位性は明らかで、1970年にシチズンが音叉時計を発売するまでは瞬間的に「電磁テンプ080系・クロノメーター25石」が最も高精度の国産時計だったとの見方もあります。 電磁テンプ時計は動力源を電池にしたことにより、機械式と同じくテンプを使いながらも振角が一定で高い精度を求めることが容易であったと想像します。電気的な部分の改良がさらなる高精度へのアプローチだったことから国産の電磁テンプ機械は、電気構造を改良したモデルチェンジが頻繁に行われました(一覧)。スイス製の電磁テンプ機械などは電気構造にばかり目を奪われたためか、モデルチェンジの過程において部品の簡素化、プラスチック部品の多用、仕上げの簡略が勢い進みました。一方、国産の電磁テンプ機械においては機械式時計に比べて仕上げが劣るということもなく、高級時計らしい仕上げや、ゼンマイ式のセオリーにある機械的工夫がシッカリと施されていることを発見します。 時計史において短命に終わった電磁テンプですが、その歴史において国産メーカーが機械の改良に正面から取り組み、普及品にいたるまで真剣に設計、製造にあたったことを勝手ながら想像しています。 2005.8 update |





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