CITIZEN AUTO Cal.3KA

      

  

  

  

  

  

  

  

 シチズン初の自動巻腕時計「シチズンオート」です。デッドストックを入手することができました。セイコーが国産初の自動巻腕時計を発売したのが1955年。それから遅れること3年、1958年にシチズンも初の自動巻腕時計を世に送り出しました。国産第二号の自動巻腕時計です。時計先進国スイスにおいては1940年初頭ころ既に、多くのメーカーが自動巻腕時計を発売していましたが、国産メーカーの自動巻開発は随分遅れてのスタートでした。

 搭載機械はCal.3KA。この機械を搭載した「シチズンオート」は、1961年に後継・自動巻機械Cal.03系「シチズン・ジェット」()が開発されるまでの3年間、僅かに製造、販売された製品のようです。ヴィンテージマーケットでもほとんど見かけることはありません。また後継のCal.03系とは全く異なるツメ巻上げ式(解説)構造を持っているのが興味深い点。セイコーが1959年に「マジックレバー」(解説)と名付けられた一種のツメ巻上げ式構造を開発し「ジャイロマーベル」に搭載しましたが、シチズンはそれよりも1年早くツメ巻上げ式の自動巻を世に送り出していたことになります。ただしセイコーの「マジックレバー」が少ない部品点数で巻上効率も高い独創的な構造であったのに対して、「シチズンオート」に搭載されたCal.3KAは同じツメ巻上げ式でも、自動巻ユニットだけで大きなスペースを要する古典的な構造でした。

 特に故障が多かった等の悪い評価も聞きませんが、同系では改良機械が開発されることもなく短命に終わった自動巻機械です。

 一方でシチズンがこの自動巻機械の開発に相当の力を入れたことは事実でしょう。搭載されるCal.3KAは「構成部品の仕上げの丁寧さ等に同社技術陣の並々ならない意気込みが感じられる」(「国産腕時計6シチズン腕時計」トンボ出版)機械。裏蓋を開けて観察すると、機械全体には珍しい円周模様の磨きが施され、ローターには鏡面とヘアラインの手が掛かった仕上げを見ることができました。当時の国産時計では断トツに美しい時計機械です。

 文字盤はオーソドックスな白干支で、手書き風のロゴも1940年代国産時計の雰囲気。時表示部には豪華な立体インデックスが埋められています。裏蓋は厚みのある自動巻機械を包み込むようなポッコリと盛り上がった形状。こういった“必然”からくるヴィンテージウォッチの“かたち”に収集家は魅力を感じます。

 前述のように現存数も少なく、時計ファンの興味も少ないモデルなので“評価”自体少ない腕時計です。しかしこの腕時計からシチズン製自動巻の歴史が始まったことは事実であり、国産腕時計の歴史を語る上では貴重なモデルであることは間違いありません。 2005.9 update

    

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

Cal.3KA 18000振動 5振動/秒 35時間リザーブ

  

  

  

  

自動巻ユニットが時計機械に被さっている。ロレックスのバブルバック搭載機に似ています。

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

    

  

  

  

  

  

  

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