UNIVERSAL Tradition 69 / Golden Classic

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

 UNIVERSALのTradition 69です。別名 Golden Classic。1989年に名機“マイクローター”Cal.69のストック・ムーブメントを搭載した時計としてリリースされました。紹介しているのはイエローゴールドとホワイトゴールドのケース。発売された製品として確認できるのはこの2種類だけです。シースルーバックから貴重なムーブメントが鑑賞できる嬉しい仕様。

 1970年以前、小型ローターの自動巻機械を手掛けたのはユニバーサル、ビューレン、ピアジェの3社のみ(参考画像)。中でもユニバーサルのCal.69系は造形美あふれる名機として時計ファンに知られています。

 現在、日本にユニバーサルの輸入代理店はありません。この時計が発売された当時、コサ・リーベルマンが輸入代理店でした。その頃の時計雑誌を調べてみるとTradition 69の定価(当時)は36万5000円。機械式時計ブームの昨今、貴重なストック・ムーブメントを搭載した企画製品が花盛りですが、それら3桁にもとどくような高価格品と比べれば、Tradition 69は随分と低価格設定にも感じられます。1989年頃は本格的な機械式時計ブーム前夜でしたので、こういった製品への需要もさほど無かったのでしょう。今となっては何とも魅力的な製品です。

 この時計の入手を機会にユニバーサルの歴史について調べてみました。

 1894年、時計産業が盛んだったスイスのLe-Locle、ジュラ山脈のふもとの町にウォッチカンパニーが設立されます。創業2氏の名をとった社名は「Descombes&Perret」。これがユニバーサルの起源だと言われています。初めての広告では「2人の時計師が時計ケース、ダイアル、ムーブメント、その他の部品を供給します」とうたっていました。

 1897年、創業者の1人であるGeorges PerretはLouis Berthoudを新たなパートナーとします。「Descombes&Perret」は「Perret&Berthoud」という名の会社に移行。1898年9月2日には早くも「Universal Watch」ブランドを商標登録しています。この新しい会社の目標は独自のコンプリケーション・ウォッチや特殊なクロノグラフなどの完成品を製造することでした。

 1917年には同社初の大型(17-Ligne)クロノグラフを発表しています。この頃、ヘッドオフィス(本社)をGeneveに移設。当時、スイスで最も国際マーケットに近かったこの地にヘッドオフィスを構えることで積極的な海外輸出を考えたのです。これ以降、同社製品には「UNIVERSAL GENEVE」と記されるようになりました。事業は順調に推移し、1920年に発表した8日間リザーブの“Uso Ferrovie”は鉄道時計として世界で広く採用されるヒット商品となります。1929年に始まる世界恐慌を乗り切った同社は、Georges Perretの息子、Raoul PerretとLouis Berthoudの責任体制のもと、外部から大きな資本注入を受け、よりバラエティに富んだ時計作りに挑戦するこになりました。1934年、同社の看板クロノグラフ・ブランドとなる「コンパックス」シリーズの祖先モデルともいえる『コンプール』を発表。1937年、12時間積算計を持つ世界初のクロノグラフを開発し特許を取得しています。これより同社は12時間計はもちろんのこと、ムーンフェイズ、フルカレンダーなどをクロノグラフに加えた多機能ウォッチを「コンパックス」シリーズとして次々世に送り出していきます。またあまり知られていない史実ですが、これらのクロノグラフ機械開発にはクロノグラフ製造専業の「Martel Watch Co.」の協力を得ていました(参考)。

 一方、自動巻機械についても意欲的に開発を進めます。1947年には同社初のバンパー式(半回転式)自動巻Cal.138を発表。これに日付表示を加えたCal.138Cは「Monodatic」と名付けられました。そして同社がクロノグラフと共に時計史に名を残すこととなった小型ローターによる自動巻機械の初号機が1958年に発表されます。これが今回、紹介する時計にも搭載されているCal.69系(こちらで検証)でした。1965年に後継のCal.66系が開発されるまで同社の主力自動巻機械として多くの製品に搭載されていきます。同社製の小型ローター自動巻は「Microter」(マイクローター)と名付けられ特許も取得しています。

 1967年からはブローバ(歴史)に多くの資本を握られてしまいました。これを機会に技術供与を受け、音叉時計の製品製造にも積極的に取り組みます。しかし他のスイスメーカーと同様、クオーツショックに企業体力を落とした同社は1986年、香港の複合企業ステルックス・グループに買収され、創業家資本はここで途絶えてしまいました。

 しかしステルックス・グループは「Universal」を高級時計部門として積極的に活用します。スイスのビエンヌに時計製造ラインを新設。そして今回紹介するトラディション69も製品化されたのです。自社製機械ではないもののレマニア(オメガ・スピードマスタープロと同じ機械)製機械を積んだクロノグラフも複数リリースします。このクロノグラフは同社往年の銘クロノグラフの名をとって「コンパックス」と名付けられてました。

 本格的な機械式時計ブームの到来前にいち早く、機械式時計の販売を手掛けた(再開した)ステルックス・グループ。しかし時期が早すぎたのか、その活動は次第に終息。現在「ユニバーサル」ブランドは積極的な動きを見せていません。公式ページはこちらです。 2005.4 update

    

  

  

since1894

   

  

光の具合で綺麗な磨き模様が浮かびあがります。シースルーバック用に特別に手を加えたわけではありません。

マイクローター現役時代の製品はこちら

  

  

  

  

  

  

  

  

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