国産史上最多石のオリエント・グランプリ100です。その名の通り石数は100。さらにここで紹介する時計は同シリーズ中、“最強の防水ケース”(10気圧防水)を持つ「スイマー」モデル。「グランプリ64・スイマー」と共に1965年にリリースされました。 機械式時計における「石」とは歯車の軸が地盤に接する部分に噛むように設置される硬石のこと。「石」がないと絶えず回転する車軸が地盤を削ってしまうのです。グランプリ100では機械の装飾として大量のルビー、サファイアを使用し、石数を“かせいで”いますが、精度を追求するための機構もフル装備しています。IWCのペラトン式に酷似した自動巻機械(こちらで検証)を搭載し テンプに微動緩急調整装置「TRIOSTAT/トリトスタット」(説明はこちら)を付加、耐震装置には同社初となる「INCABLOC/インカブロック」を採用しています。当時のオリエント資料では「クロノメーター級に準じる精度」と説明がされていました。 「スイマー」モデルは“超完全防水型−10気圧耐圧”(当時の同社表現)。裏蓋はO(オー)リングを噛ませた「12角ネジ蓋式」。竜頭は当時珍しかった「ねじ込み式(内ネジ式)」となっています。 最大の見どころは貴石が散りばめられた100石機械ですが、外装も非常に高品質です。ケースは見るからに頑強で風防も極圧。一方でケース各面の研摩は複数の手法を使い、精緻な仕上がりです。文字盤は放射状に光沢する銀色の意匠で、そこに載るインデックスとロゴは凝った造形の植込み。裏蓋にはペガサスが刻印された金色のメダルがはめ込まれていました。 「グランプリ100・スイマー」は同社のフラッグシップ的な腕時計でしたので、一切の妥協を排して製造されています。 ロレックスにも似たコンサバな外装を持ちながら、内部には100石装飾機械を“秘めている”同機は、国産史上もっとも贅沢な腕時計と言えるかもしれません。 2004.5 update |
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第1位/オリエント・グランプリ100 国産史上3桁の石を積んだ腕時計はグランプリ100だけです。 | ||
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第2位/オリエント・グランプリ64 1964年の東京オリンピックを記念して64石としたことはあまり知られていません。 | ||
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第3位/リコー・ダイナミックオート45石 国産最後発「リコー」の最多石モデル。ベアリングに石を使用。 | ||
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第4位/シチズン・クリスタルセブン43石 シチズン史上の最多石モデル。こちらもベアリングに石を使用しています。 | ||
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第5位/シチズン・スーパージェット39石ほか 39石の腕時計はセイコーやシチズンから複数販売されています。 | ||
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第6位/オリエント・AAA 35石ほか 39石以下の多石機械となると35石となります。AAAは石を装飾に使った35石。 |